テーマ:病気を治す食事法(食事で氣を高める)



●病気を治す食事法

食べ物を5つに大きく分類し、それぞれの特長についてまとめてきました。今回はその5つの食べ物をどのようにして組み合わせ、食べればよいかを考えていきます。

陰性の酸性は、血液を薄くし、汚し、免疫力を低下させるのが特徴です。これに対し、陰性に対しては、陽性の血液を濃くするという食べあわせが効果的です。また、酸性の汚すということに対しては、きれいにするアルカリ性を加える必要性があります。

汚れた、どろどろの濃い血液を増やす陽性の酸性に対しては、血液をさらっさらにして、酸性をアルカリ性で中和する食べ物、陽性と対角線上にある陰性のアルカリ性よく品が必要です。

▼陰性の酸性(砂糖、アルコール) ---- ▲陽性のアルカリ(根菜類、みそ、しょうゆ、梅干し)
▼陽性の酸性(魚、貝、牛豚鳥肉) ---- ▲陰性のアルカリ(海草、葉野菜、)

この組み合わせをしっかりと覚え、日常生活の中にお役立て下さい。

●食事法で気を高める.1

食事法で気を高め、病気にならない身体を作りましょう。

1.生命力のあるものを食べる

最近の野菜はきれいなだけで、においのしない野菜が多くなってきたと思います。「ほうれん草」を一つとってみても昔の懐かしいほうれん草独自のにおいがしなくなったようです。また栄養価が下がり、ポパイがいたら、とてもじゃないがほうれん草がパワーの源にならないかもしれません。
それではこの原因は何でしょうか?それはずばり畑の土が「痩せている」からにほかなりません。化学肥料で育てられた野菜は見た目には美しくとも、本来のパワーが失われています。パワーが無いだけでなく、化学肥料を含有し、人間に害をもたらすことが危惧されます。
生ごみでぼかしを作り、自家農園で自給自足の食材を使う・・・これが理想ですが、現実はなかなか難しいですね。
一般的に腐りにくいものが「生命力」の高い食べ物です。数年前に古代のハスが芽を出したというニュースがありましたが、植物の中には信じられないパワーを持ったものがあります。米、麦を始めアワ、ヒエ、キビなどはどれも生命力にあふれています。また、ソバやゴマのような草の実もとても生命力にあふれています。
また野菜では根の部分、根菜類が生命力の強い部分です。
また日本人にとっては長年食べている日本名(漢字で書ける)の野菜が良いです。たとえば、大根、小松菜、菠薐草(ほうれん草)、白菜等々いくつか浮かんでくると思います。

2.丸ごと食べる(一物全体)

食べ物は部分的に食べるのではなく全体的に食べなさいという意味です。
たとえば主食であるお米も、きれいにぴかぴかになった、精製された「白米」は、生命力を失った食べ物です。栄養的には大事な部分を捨て去ったものです。玄米を食べるまでもなく、胚芽米が手軽で栄養価もありお勧めです。(玄米が絶対の食養の考え方もありますが、その場合は完全無農薬のものではなくてはいけません。化学肥料が米の殻に全て溜まってしまうから毒です。消化の難しい玄米を無理して食べなくとも、胚芽米で良いのではないかと考えます。)
また、パン、うどん、砂糖、塩、サラダ油など精白精製されたものは、せっかくのバランスが崩れて全部陰性に傾いてしまいます。
魚では、丸ごと食べるには小魚がお勧めです。日本はマグロの消費量が世界一です。他にも大型の高級魚もたくさん食卓に上がっています。しかしながらお勧めは昔から日本人が口にしてきたイワシ、アジ、サンマなどの小魚がベストです。
肉については、元々日本人は肉食民族ではありません。穀物と野菜、小魚を中心に食べてきました。そこに肉食の習慣が入ってきたのですが、身の部分しか食べない、非常にアンバランスな食べ方になっています。肉を食べつづけてきた欧米諸国では、もちろん肉は食べますが、内臓も良く食べています。フランスでは、内臓は高級料理の食材にもなっているほどです。
また、一物全体では料理のときも大事なことがあります。それは煮物などの時にアクを抜かないことです。料理好きの方からは怒られるかもしれませんが、健康のことを考えるとアクもとったほうがいいのです。

●食事法で気を高める.2

3.生まれ育った土地のものを食べる(身土不二)

身土不二は、健康になるため、または健康を持続させるためには生まれ育った土地のものを食べるのが一番という考え方です。
たとえば東北や北海道など、寒い土地に住む人は、体を温める食べ物が良いことはわかります。そこで北海道でとれる食べ物を調べてみると実に理にかなったことに体を温める食べ物が多いのです。また、九州に住む人にとっては北海道と比べると体を温める必要はありません。食べ物を比べてみるとやはりほどよく体を冷やす食べ物が多いのです。
このことを考えると、生まれ育った地方の食べ物をとることが健康維持のベストの方法であることがわかります。
流通網の整備がすすみ日本はおろか世界の食材が入る今日、日本人は日本でとれたもの、そして出来れば生まれ育った土地のものをとることが大切だと言うことがわかります。
そしてもう一つ大事なことは、日本には四季があります。本来は四季折々、その季節でなくては食べられない食べ物がありました。しかし、温室栽培が盛んな今日、スーパーマーケットの食品売り場をのぞいてみると、昔のように季節の味の違いは無く、年間を通して食材が手に入るようになりました。
その時に取れる、季節に合った食べ物を食べる。これが自然の理に適った、体に良い食べ方であることは言うまでもないことです。

●食事法で気を高める.3

前回、「季節に合った食べ物を食べる。これが自然の理に適った、体に良い食べ方である。」と締めくくりましたが、このことを東洋思想で説明しておきます。

東洋思想には陰陽説の他に五行説という考え方があります。世の中は木、火、土、金、水の5つの要素で成り立っていると考えるのが五行説です。陰陽説とこの五行説は後に一緒になることにより陰陽五行説となりました。
この陰陽五行説で、季節と健康との関係を見ていきます。

春:風が発生しやすく風の邪(風邪・ふうじゃ)に冒されやすいとしています。
  肝臓が弱る季節で、肝臓とつながる胆嚢にも注意するようにします。
  そこで、風邪を予防し肝臓を強めるため、春に食べる食べ物を勧めています。

春から土用:梅雨のシーズンに当たり、とても湿っぽい季節です。湿邪に冒されやすく、
  脾臓の病気になりがちで、胃も悪くなってきます。

夏:夏は当然暑く、暑の邪(暑邪・しょじゃ)が襲ってきます。
  暑邪のときに増えるのが心臓病で、身体を冷やすことを考えなくてはいけません。
  夏の代表的な食べ物は「スイカ」ですが、身体を冷やすのには素晴らしい食べ物です。

秋:秋は空気が乾燥してきます。燥邪(そうじゃ)が襲ってきます。
  燥邪によって肺がやられ、喉、鼻、大腸へとつながってきます。気管支も要注意です。

冬:寒さの邪(寒邪・かんじゃ)が牙をむきます。
  身体が冷えると真っ先に腎臓がやられます。また膀胱、耳にも影響が出やすくなります。
  この季節には身体を温める食べ物をとることが最優先です。
  この季節に南国で取れる果物等を食べると身体はますます冷えてきます。

季節のもの、旬のものをぜひお召し上がり下さい。

●食事法で気を高める.4

4.陰陽のバランスをとる

食品の分類で、陽性食品、陰性食品の話をしました。これらの事柄を食事を例にして考えてみたいと思います。

陰陽のバランスとは食事の組み合わせです。
肉は陽性の酸性ですから、とりすぎると血液を酸性にし、どす黒く汚してしまう食品です。この害を防ぐために、野菜のような陰性でアルカリ性のものを食べることによりバランスを取ります。このようにして身体を中庸に持っていくことが望まれます。
肉食をあまり勧めるわけにはいきませんが、西洋人はとにかく分厚いステーキが大好きです。ここ最近の日本での食事も、日本料理よりは西洋風の肉料理が多いように見受けられます。ただし私たち日本人は、西洋人が分厚いステーキを口にするとき、ボウル一杯のたくさんのサラダを食べていることを忘れがちです。これも体験的にバランスを取っていることになります。
肉食にはサラダ。韓国式焼き肉には生野菜のサンチュをぐるぐる巻いて食べる。これがポイントです。
豚肉でも、パイナップルと一緒にソテーにする料理があります。これは陽性の肉に対して陰性のパインを上手に組み合わせています。
魚料理はどうでしょうか?魚の世界一の消費国は日本というのが定説です。代表的なのは「刺し身」ですが、香辛料との関係を見ると、とても興味深いものがあります。マグロのような大型魚には本ワサビ、中型のサバには生姜を使います。これを陰陽で見ると、陽性度の高いマグロには香辛料のなかで陰性度の高いワサビを合わせています。サバはマグロより陽性の度合いが低いので、ワサビよりは陰性度の低い生姜で食べているのです。ただし、どの組み合わせも陽の力が強いので、魚の3倍量の野菜を取ると良いでしょう。