テーマ:「冷え」は病気の元



●病気は冷えから

食べ過ぎで、お腹を壊した。転んで、骨を折った。懸賞があたって嬉しかった。 などなど全てのことは「原因」と「結果」があります。
病気になるのも、必ず病気になる「原因」があるはずです。
そしてその原因にも目に見えない「心」の問題と、目に見える「体--環境」の問題の二面性があります。
「心の問題」これは確かに一番重要な問題ですが、この問題はいずれゆっくりと考えることとして、これからすすめるテーマは「体--環境」の問題です。

病気になる「体--環境」の問題は何でしょうか?ずばり一言でいえば、それは「冷え」です。ほとんどの病気はこの「冷え」からきていることを知らないのです。真夏の暑い日にクーラーの利いた部屋に長くいると、自律神経の乱れが生じます。また、冷たい飲み物を飲み過ぎると体はどんどん冷えていきます。

●冷えの問題

サロンにおいでいただいているお客様に、「冷え性ですか?」と聞きますと、たいてい2通りの答えが返ってきます。
一つは「ええそうです。手足が冷えて、いつも冷たいです。」と言われるお客様。そしてもう一方は「いいえ、足はいつもかっかしていて真冬でも布団を蹴っ飛ばしてしまいますよ・・・。」と言われるお客様。
前者の方はもちろん冷え性ですが、後者の方もやはり冷えの現象なのです。冷えがあり、体の循環が悪いため熱が部分的にこもってしまうのです。

「冷え」があると血管が収縮して、循環不良が起こります。その結果、血行不良になります。血行不良になりますと、体の細胞に必要な養分が届きませんし、酸素も十分に届きません。
必要なものが届かないので疲労物質が出て行きません。その結果、疲労物質が体内に居座ってしまい、細胞の機能が落ちたり狂ったりするので、体内に「毒」が出来てしまいます。病気はこの「毒」が留まることです。
血糖値が高いとか、血圧が高いとか、機械で診てもわかる状態になってからでは、「冷え」が相当ひどい状態になっています。
この「冷え」を改善し体の中の「毒」を排出させること(毒素出し)がとても重要になってきます。

病気の原因は体の冷えから、そして健康になるためには、冷えによって溜まった毒素をしっかりと出すこと。

毒素を出せば出すほど、体が若返り、健康に、毎日快適に、楽しく過ごせます。

●冷えを考える

ここまで、「冷え」によって血行不良が起こり、体内に「毒素」がたまることにより、様々な障害が起こることをお話ししました。
それでは、体の「冷え」とは何でしょうか?手足が一年中冷たい人、真夏でも下半身が冷たい人、その原因を考えてみたいと思います。

冷えの原因に、体の中にたっまた「水」があげられます。ご存じのように人間の体の70%近くは水が占めています。口から食物を食べなくても、しっかりと水分を補給していれば、1〜2週間は問題なく生きることができます。しかし、水を飲まなくては死んでしまうのです。
体内の様々の臓器で行われている生命活動は全て水がらみで行われているので、水無しで生きていけないことは自明の理ですが、この水が体内に多ければ良いという物でもありません。

◆体内の余分な水分が冷えの原因である。

心不全や腎不全で体内に余分な水分が貯溜すると「浮腫」が生じ、ますます心臓は負担を受け、さらに水の排泄が悪くなり、浮腫が増悪します。また、肺ガンの時の胸水や肝臓ガンや胃ガンの腹膜移転による腹水では、肺や腹部の諸臓器が圧迫されて患者さんは相当に苦しい思いをします。
これらのように現代医学でも「水」の有害作用が認められています。
また、東洋医学的にも、「水」が種々の症状や病気を起こしていることが下記の関係より分かります。

   【冷えと反応の現象】
     冷え---------水
      |      /   冷房にはいると頭痛や腰痛がする(冷→痛)
      |    /     雨が降ると神経痛が悪化する   (雨=水→痛)
      |  /       雨に濡れると体が冷える      (雨=水→冷)
      痛/    

体が冷えると、当然、その一部である腎臓の働きも低下し、尿の排泄が十分に行われず、水分が体内にたまります。
(冷→水)というように「冷」・「水」・「痛」は、それぞれ相互に関連しているわけです。

●水毒について

ここまで、冷えの問題が体内にたまった余分の「水」だというお話をしました。
この状態を漢方では「水毒」といいます。人間の体には”自然治癒力”がありますので、「水毒」があると、その改善のために新陳代謝を高めて水を捨てようとし、その結果「頻脈・不整脈」が起こることがあります。
また、熱を出して水を体内から出そうと原因不明な熱が出ることもあります。
余分な「水」を出すために熱が出たのであれば、それは身体の異常を正すための反応ですから、強制的に熱を冷まそうとする”薬にたよる(投薬する)”事は少々問題があります。

「水」は新陳代謝を良くするのでよく飲むように・・・といわれることがあります。しかし、それはもともと体が正常な働きをしている人に言うことで、新陳代謝が悪く、「水」が体内にたまっていて、冷えのある人にはお勧めできません。
特に夏場、のどが渇くのでとかく飲む量は増えがちです。飲んでも飲んでも喉が乾く人は要注意。このような人は体の代謝が悪く、また体内の循環が悪いので必要なところに水分補給がされません。その結果ジュースなどの水分をがぶがぶと飲んでしまうのです。
夏になると「太る」人は、たいていはこのような「水太り」です。そしてクーラーのきいている部屋にいればますます体は冷えていきます。そして、体不調になる・・・・という悪循環が始まります。

  冷え←--→水←--→痛   (この関係を知って下さい)